• ピアノ連弾曲集/外国作品

F. キール (松永晴紀):「子どものための10の連弾小品 作品74」

JPY: 1,600 yen

数量:
編・著者名
松永晴紀
判型/頁
菊倍判/48頁
JAN
4962864907382
ISBN
978-4-7609-0738-0
発売日
2024.01.01

本書における注意事項

フリードリヒ・キール Friedrich Kiel(1821〜1885 ドイツ)は、シューマンとブラームスの間の世代の作曲家で、器楽曲・室内楽の作品、とりわけピアノ曲を多く残した。1870年から設立後間もない王立音楽演劇アカデミー(現在のベルリン芸術大学)の音楽理論の教師となり、1882年に同校の作曲科長、理事を歴任した。弟子にM.モシュコフスキ、I.パデレフスキ、Z.ノスコフスキ、C.V.スタンフォードなど。小学校低学年くらいから中学生〜大学生向けでもある。親しみやすい旋律や歯切れの良いリズムなどロマン派の流れを汲んだ魅力的な作品で、短調、長調のバランスよく構成されている。最初の6曲においてPrimoは両手がオクターヴ離れたユニゾンによるもので構成される。特に1曲めは固定されたポジション群の5つの音による極めて易しい小品である。後半の4曲で中級程度となる。
カノン、賛歌、タランテッラ他、全10曲。

レベル Primo:初〜中級 Second:中級

 

<解説より>

 作曲家としてのキールは、作品番号を持つものだけでも80以上の作品があり、レクイエムやミサ曲のような大規模な声楽作品、1曲のピアノ協奏曲、多数の室内楽曲やピアノ作品を残したが、交響曲とオペラはない。そうした中でピアノ作品はキールの最も主要なジャンルと言えよう。ピアノ独奏曲では、大規模なソナタはなく、『変奏曲とフーガ Op.17』あたりが大曲に位置付けられるが、他は小品がほとんどである。キールのピアノ作品の特徴は、どういう訳かどちらもOp.1の作品番号を持つ初期の2作品、『子ども世界の絵 Bilder aus der Jugendwelt』と『室内楽形式の15のカノン 15 Canons im kammerstyl』が端的に示しており、フレッシュで可愛らしい6曲からなる前者からは教育的作品への強い関心が、極めて精緻なカノンが展開される後者からは熟達した対位法的書法が伺える。そして第3楽章ではソロが鍵盤上を軽々と飛び回る、まったくヴィルトゥオーゾ的な『ピアノ協奏曲 Op.30』からは、キールのピアノ書法の高度さと幅広さが伺える。 デュオ作品では、2台のピアノのための作品はなく、オリジナル連弾作品は9作品あるが、『自作主題による変奏曲 Op.23』以外はいずれも小品で、すでに『8つのやさしい小品 Op.13』からの4曲が、『こどものためのピアノ連弾曲集 デュオ・レパートリードイツ作曲家編』(カワイ出版)に所収されて、わが国でも出版されている。
 
松永晴紀
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F. キール (松永晴紀):「子どものための10の連弾小品 作品74」

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